まいたけの自然栽培・原木栽培法(煮込み)
【まいたけ】まいたけは近年急激に生産量を増大させて来ており、嘗ての高級きのこから今ではすっかり大衆派きのことなってしまいました。機能性の面でも注目度の高いきのこであることから、生産量に比例して消費も順調に伸びております。栽培に当たっては、人工栽培のきのこ類の中で、最も炭酸ガスに敏感なきのこであることから、生育工程における換気管理には特段の注意を払う必要のあるきのこであります。 ◆まいたけの詳しい情報◆
品種
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培養日数
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特長
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販売品目
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東北MA52号(中生)
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40日間
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中葉、厚肉、濃黒褐色 |
種菌850cc
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KX-MA59号(早生)
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35日間
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中葉、中肉、濃黒褐色 |
種菌850cc
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※当社で取り扱っておりますその他のきのこの品種に関しては、
こちらを御覧ください。
1、培地調製
・これまでまいたけの配合は、フスマ:ホミニーフィード=7:3などの糖質主体の栄養源が理想とされてきたが、その後の研究により、食品残渣で高タンパク質の「オカラ」が適していることが判明したため、以下の配合割合に変更となっている。
(新しい配合割合)
オカラ:ホミニーフィード:ネオビタスHM = 5:4:1(重量比)
※ネオビタスHMは、キノックスで販売しているマイタケの増収材。
・オガコは広葉樹を使用し、栄養源は培地総重量に対して10重量%となるように添加する(1ブロック当たり230~270g/2.5Kg)。
・含水率は、62~65%に調整する。
2、充填
・培地の充填量は、フィルター付きガゼット式強化袋(450×200×320mm)に2~3kg充填する。
・培地をボックス型(200×120×150mm)に圧縮し、培地中央部に太さ20~30mmの穴を4~6箇所開ける。
3、殺菌
・常圧殺菌は、培地内温度が98℃以上になってから、4時間継続する。
・高圧殺菌は、培地内温度が120℃に達してから、60分間(有効殺菌時間)保持する。
釜温度を目安とする場合には、120分間(2.5kgブロック菌床)の保持を実施する。
4、放冷
・必ずクリーンな環境下で、培地温度が20℃以下となるまで冷却する。常圧殺菌釜の場合には、培地の急冷に特に留意する。
・戻り空気による吸い込み汚染には注意が必要である。
5、接種
・種菌の接種量は1ブロック当たり約40ccを目安とし、850cc種菌ビン1本当たりで25ブロック程度に接種する。
・接種終了後は、袋口をシーラー等で完全に密封し、フィルター部位に原基形成のためのスペースを確保するように折り込む。
・接種作業は無菌操作に徹して、スピーディーに行う。
6、培養管理
・温度は、18~20℃で25~30日間(前期培養)、25℃で更に15~20日間(後期培養)の培養を行う。(菌床温度を28℃以上にしない)
・湿度は、前期培養は60~70%、後期培養は70~80%で管理する。(後期培養のフィルター直下部菌床の乾燥に注意する)
・CO2濃度は、2,500ppm以下で管理する。
・照度は、極力暗黒培養で管理する。(点検時以外は照明不要)
・期間は、40~50日間。
7、芽出し管理
・袋のカットは行わずに、そのまま芽出し管理に移行する。(まいたけは、接種源よりきのこを発生させることがポイント)
・温度は、20℃で管理する。
・湿度は、80~90%で管理し、乾燥による原基の分散化を防止する。
・CO2濃度は、2,000ppm以下で管理する。
・照度は、300~500Lux程度で、昼間のみの点灯管理とする。(出来るだけ均等に光が当たるように留意する)
・ 期間は、約10日間で、原基が灰黒色に着色するまで管理を継続する。
8、発生操作
・まいたけはマット状の菌糸塊を形成し、それが原基へと生長することから、原基が形成され、灰黒色への着色を確認次第、順次生育管理へ移行する。
・原基が充分に着色(灰色から濃灰黒色へ変化)した時点で、フィルター部をコの字型にカットして発生を促す。
9、生育管理
・形成された原基は、フィルターを持ち上げるようにして生長を開始する。
・温度は、17~20℃で管理する。(20℃以上にはしない)
・湿度は、90~95%で管理する。
・CO2濃度は、1,000ppm以下で管理する。(奇形防止のため、換気不足には充分注意する)
・照度は、500~1,000Luxで、昼間のみの点灯管理とする。
・期間は、10~15日間管理を継続する。
10、収穫
・菌傘が充分大きく生長し、菌傘裏面に管孔が形成されるようになった時点で、株ごと収穫する。
・発生操作日から、20~25日目で収穫が可能となる。(生育温度により収穫日数は異なる)
・1ブロック当たりの発生量は、300~500gの収穫が可能である。