なめこの空調栽培・ビン栽培法
【なめこ】現在のなめこは空調栽培技術が開発されたことで、周年で安定的に供給されるようになってきておりますが、栽培に当たってはなめこの生理特性を充分に把握しながら、培養中に菌糸の変異を生じさせないよう、温度管理に十分な注意を払う必要があります。最近の研究により、なめこの菌糸は変異や劣化を遺伝的に生じ易い生理特性のあることが判明して来ていることから、安定発生を維持するためには、性能良好な種菌を使用することが何よりも重要となります。 ◆なめこの詳しい情報◆
品種
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培養日数
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特長
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販売品目
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KX-N007号(超早生種)
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50~60日間
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中型・中肉、淡黄褐色 |
種菌1500cc
種菌850cc |
KX-N008号(超早生種)
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45~55日間
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中型・中肉、淡黄褐色 |
種菌1500cc
種菌850cc |
KX-N009号(超早生種)
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55~70日間
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中型・中肉、淡黄褐色 |
種菌1500cc
種菌850cc |
その他のなめこの品種の特性に関しては、こちらを御覧ください。
1、培地調製
・広葉樹のオガコを使用。
・栄養源として、フスマ:ネオビタスN=7:3(重量比)
の割合で、培地総重量の10%を目安に添加する。
・含水率は64~65%に調整。
2、充填
・培地の充填量は、800cc広口ビンに540~560g/ビン(内容量)となるように充填する。
培地仕込みライン
3、殺菌
・常圧殺菌は、培地内温度が98℃以上に上昇してから4時間実施。
・高圧殺菌は、培地内温度が120℃に達してから60分間(有効殺菌時間)保持する。釜温度を目安とする場合には、90分間の保持を行う。
高圧殺菌釜
4、放冷
・必ずクリーンな環境下で、培地温度を20℃以下に冷却する。(常圧釜の場合は、急冷に留意)
・戻り空気による吸い込み汚染に注意。
5、接種
・種菌の接種量は、1ビン当り8cc程度を目安とする。種菌量が少ない場合は、変異を誘発し易くなるので注意が必要である。
1500cc種菌ビン1本当たりの接種本数は、約200本が目安。
・接種作業は無菌操作に徹して、スピーディーに行う。
種菌接種ライン
6、培養管理
・温度は、16~18℃で35日間(ビン間温度を20℃以上にしない)管理し、更に22~23℃に昇温して10~30日間の培養(熟成)を継続する。
温度管理は、ビン間温度での管理を基本とする。(室温は目安温度とし、ビン間温度との較差に注意)
・湿度は、前期培養を60~70%、後期培養は70~80%の範囲で管理する。
・CO2濃度は、2,500ppm以下で管理する。
・照度は、極力暗黒培養で管理する。(点検時以外は照明不要)
・期間は、45~65日間。(品種により異なる)
7、菌掻き
・発芽の同調化を図る目的で、ブッ掻き法により実施する。(培養で菌床表面が乾いた場合に効果的)
・菌掻き後は、2~3時間の注水処理を行う。(余剰水は捨てる)
8、芽出し管理
・温度は、14~16℃で管理。
・湿度は、95%以上で管理する。(菌掻き直後の乾燥に注意)
・CO2濃度は、2,000ppm以下で管理。
・照度は、200Lux程度で、昼間のみの点灯管理とする。
・期間は、倒立状態で7~10日間管理する。(被覆芽出しも可能)
9、生育管理
・温度は、14~16℃で管理し、20℃以上にはしない。
・湿度は、90%以上で管理し、収穫開始後は控えめとする。
・CO2濃度は、2,000ppm以下で管理し、発生後半は換気回数を多めとする。
・照度は、50~500Luxで、昼間のみ点灯して管理する。
・期間は、25~40日間で、発芽後に正立状態に戻して管理する。(栽培方法により管理日数は異なる)
10、収穫
・菌傘の膜が切れないつぼみの状態で傘部のみをカット、あるいは株ごと収穫する。
・発生量は、1ビン当り180~200gの収穫が可能である。