株式会社キノックス

きのこの豆知識・その2

きのこの一生

しいたけに代表される一般的なきのこは、傘、ヒダ、柄の3つの部分から構成されており、傘が開くに伴ってヒダが形成されるようになり、ヒダの部分に子孫繁栄のための胞子を形成するようになります。1個の子実体には数億個もの胞子が形成されると言われており、成熟に伴って次々と新たな生育環境の場を求めて空中へと飛び出していきます。放出される数億個の胞子の内、厳しい自然環境下の元で温度や湿度条件などが満たされて実際に発芽できるものはほんのわずかな数でしかありません。首尾よく発芽できた1次菌糸は、遺伝的に異なる別の胞子から発芽した1次菌糸と出会うことで接合(交配)して、2次菌糸を形成し、再び子孫を残すことのできる新たなきのこの菌糸がスタートするのです。
 交配により新たに形成された2次菌糸は、植物の遺体などの組織を分解しながら栄養生長を繰り返し、体内へ養分を蓄積して菌糸の数を増やしていきます。一定の期間を経て子孫繁栄のための菌糸体密度にまで十分に増殖した後、温度や水分、さらには光などの環境条件の刺激を受けて菌糸の集合体を構成する一部の菌糸に変化が起こることで、きのこの元である「原基」を形成するようになります。形成された原基は温度や湿度などの刺激によって肥大生長を開始し、次の世代を担う子実体(きのこ)を形成します。菌糸から養分が供給されることで子実体は急速に成熟するようになり、やがて再び胞子を形成するという同様のサイクルを繰り返すのです。地上に発生した子実体は胞子を飛散させた後、きのことしての一生を終えるのです。


きのこの生活環

きのこのライフサイクルの画像

きのこの生活環(きのこのライフサイクル)拡大図