むきたけの自然栽培・菌床栽培法(ブロック)
【むきたけ】むきたけは自然ではなめこよりやや遅れて発生するきのこで、10月中旬から11月下旬に収穫でき、東北地方では人気のきのこです。原木栽培と比べ、きのこはやや小振りとなりますが、ツルリとした舌触りはそのままで、ゼラチン質の独特の食感とボリュームのある肉質を味わうことが出来ます。
◆むきたけの詳しい情報◆
品種
|
発生温度
|
特長
|
販売品目
|
東北MU81号(中生)
|
7~15℃
|
大葉、厚肉、苦味なし |
ー
|
※当社で取り扱っておりますその他のきのこの品種に関しては、
こちらを御覧ください。
自然栽培におけるきのこの仕込み時期は、害菌の混入を防止する目的で、空気中の浮遊菌数の少ない2~4月に行う。特に、降雪量の少ない年は、殺菌終了後の放冷工程において害菌類が混入しないよう慎重に作業を行う必要がある。
1、培地調製
・広葉樹オガコを使用し、栄養源としては、米ヌカ:フスマ=7:3(重量比)の割合で、培地総重量の10%となるように添加する。
水を加えて、良く混合する。
1ブロック当たりの栄養源の添加量は、250g程度(2.5kg菌床)が目安である。
・含水率は、62~64%に調整する(培地を強く握って、指間から水が滲出する程度を目安)。
2、充填
・培地2~3kgを耐熱性のガゼット袋に充填し、ボックス型(200×120×150mm)に押圧した後、培地中央部に太さ20~30mmの穴を3~6ケ開ける。
・袋は、専用のフィルター付きガゼット袋を使用する(専用のキャップを使用した培養も可能)。
・袋口は、フィルターが濡れないようにフィルター側へ折り曲げて、セロテープ等で仮止めする。
3、殺菌
・常圧殺菌は、培地内温度が98℃以上に達してから、4時間継続する。培地が大きいことから釜内部との温度差に留意し、必ず培地内温度を測定しながら実施することが重要である。
4、放冷
・消毒を行ったクリーンな環境下で、培地温度が20℃以下となるまで冷却する。常圧殺菌の場合には、培地の急冷に特に留意する。
・戻り空気による吸い込み汚染に注意が必要である。
5、接種
・袋口の仮止めを外し、消毒したスプーン等で素早く接種した後、ホチキス等でしっかりと密封して口封じを行う。
・種菌の接種量は、1ブロック当たり60cc程度の多めとし、850cc種菌ビン1本当たりで、約15ブロックを目安に接種する。
・接種作業は無菌操作に徹して、スピーディーに行う。
6、培養管理
・ブロック菌床による栽培は、種菌を接種後、直ちに本伏せ管理を行う。凍結の可能性がある場合には、全体を断熱シート等で覆い、10℃以下としないよう保温に努める(菌糸生育温度は、6~32℃)。
・夏越しは、通風や水はけ管理に注意して、出来るだけ環境湿度の低めな場所で管理する。
7、発生操作
・ ブロック菌床の上部はそのままで、側面に袋の上からカッター等で、菌床に縦あるいは横に長く直接切り込みを入れることで発生操作を行う。
・発生操作後、15~20日すると切り口部分よりアワ粒状の芽(原基)が形成されるようになる。
※むきたけは菌床全面からの発生よりは、間隙から発生する特性を有していることから、発生操作は覆土法よりも切り込み発生法が適している(従来の覆土法でも発生は可能)。
8、発生管理
・発生温度は8~17℃の範囲であることから、10月上旬~11月下旬までの発生が可能である。
・湿度は、70~90%の範囲内で管理し、切り込み部分に原基形成が認められるようになったら、散水回数を多めにする。
・CO2濃度は、自然栽培において問題となることは少ないが、1,500ppm程度を目安に管理する。
9、収穫
・傘の直径が5~10cmに生長し、周縁部に巻き込みが残っている状態で株ごと収穫する。
・必ず株ごとの収穫を心掛け、病害発生の原因となる発育不良株や収穫後の側芽等を菌床に残したままにしない。
・発生操作後、2週間程度で発生が始まり、25~40日間で収穫となる(地域で異なる)。
・1ブロック当たりの発生量は、600~800gの収穫が可能である。
・菌床栽培のむきたけは、原木栽培と異なり苦味がないことから、表皮を剥かずにそのまま調理が可能である。