株式会社キノックス

ひらたけ(シメジ)の空調栽培・ビン栽培法

【ひらたけ】
ひらたけの画像

 ひらたけは、以前は「シメジ」と呼ばれ、しいたけ、えのきたけに次ぐ生産量を誇っていたきのこでありますが、近年はすっかりぶなしめじに席巻されてしまい、年間生産量が激減する傾向にあります。最近の研究において、摂食抑制作用を有することなどが解明されたことから、ダイエット食品としての期待が高まってきております。栽培面においては、栄養源の配合バランスと生育時における換気管理に充分な注意を払う必要があります。
◆ひらたけ(シメジ)の詳しい情報◆

品種
培養日数
特長
販売品目
H67号(中生)
35日間
厚肉、暗灰褐色、千本系
種菌850cc

※その他のひらたけの品種の特性に関しては、こちらを御覧ください。

1、培地調製

・堆積したスギオガコを使用し、栄養源としては、フスマ:米ヌカ:ネオビタスHM=9:9:2(重量比)の割合で、培地総重量の20%となるように添加する。
 1ビン当りの栄養源の添加量は、100~110g(850cc)が目安。
・含水率は、66~68%に調整する。

 

2、充填

・培地の充填量は、850ccブロービンに480~500g/ビン(内容量)となるように充填する。
・充填の高さは、種菌を接種後にキャップとの間に5mm以上の空隙ができるように填圧の高さを調節する。
充填画像

 

3、殺菌

・常圧殺菌は、培地内温度が98℃以上になってから、4時間継続する。
・高圧殺菌は、培地内温度が120℃に達してから、60分間(有効殺菌時間)保持する。
釜温度を目安とする場合には、90分間(850ccビン)の保持を実施する。

 

 

4、放冷

・必ずクリーンな環境下で、培地温度が20℃以下となるまで冷却する。常圧殺菌の場合には、培地の急冷に特に留意する。
・戻り空気による吸い込み汚染に注意する。

 

 

5、接種

・種菌の接種量は、1ビン当り10cc程度を目安とし、850cc種菌ビン1本当たりで約90本に接種する。
・接種作業は無菌操作に徹して、スピーディーに行う。

 

6、培養管理

・温度は、20~23℃で培養管理を行う(ビン間温度を26℃以上にしない)。培養管理はビン間温度と室内との温度較差に留意し、ビン間温度での管理を基本とする。
・湿度は、65~75%で管理する。
・CO2濃度は、3,000ppm以下で管理する。
・照度は、極力暗黒培養で管理する。(点検時以外は照明不要)
・期間は、30~35日間。(培地組成により異なる)

培養室画像
培養室

7、菌掻き

・発芽の同調化を図る目的で、必ずブッ掻き法による菌掻きを実施する。
・菌掻き後は、2~3時間の注水処理を行う。菌床への吸水操作は、高温となるような場所を避けて管理する。
・菌掻き機は、作業の都度必ず清掃と消毒を心がけ、専用の部屋を設けて実施する。(掻き出し作業との混同を避ける)

8、芽出し管理

・温度は、14~16℃で管理する。
・湿度は、90%以上で管理し、乾燥に注意する。
・CO2濃度は、2,000ppm以下で管理する。
・照度は、200Lux程度で、昼間のみの点灯管理とする。
・期間は、5~7日間で、倒立状態で管理する。(被覆芽出しも可能)

9、生育管理

・温度は、13~15℃で管理し、18℃以上には上げない。(通常よりも低めの管理がポイント)
・湿度は、85~95%で管理する。
・CO2濃度は、1,000ppm以下で管理する。ひらたけはCO2濃度に敏感なきのこであるが、H67号は他の品種に比べCO2濃度弊害を受け難い特性を有している。
・照度は、50~500Luxで、昼間のみの点灯管理とする。
・期間は、発芽確認後に正立状態へ戻し、4~6日間管理する。

生育管理画像

 

10、収穫

・菌傘に丸みが残っている状態(大きさ2~3cm)で、株ごと収穫する。菌掻き後から12~14日目で収穫が可能となる。
・発生量は、1ビン当たり100~120gの収穫が可能である。

収穫画像

 

■ご注意! きのこ種菌の拡大培養は種苗法により禁じられております。