株式会社キノックス

ひらたけの自然栽培・原木栽培法(長木)

【ひらたけ】
ひらたけの画像

 原木ひらたけは、秋の味覚を代表するきのことして古くから好んで食されてきましたが、近年はほとんど栽培されなくなってしまい、店頭では菌床栽培のものでさえ珍しくなってしまいました。原木で時間をかけて栽培したひらたけは、厚肉で歯応えが良く、大変美味なきのこですので、是非ご賞味いただきたいものです。原木栽培は発生年限が長く、しかもエコ栽培が可能で、また失敗も少ないこと等のメリットが多いことから、今後とも継続して栽培したいものです。
◆ひらたけ(シメジ)の詳しい情報◆

品種
発生温度
特長
販売品目
H64号(早生)
10~20℃
肉厚で、濃い紫色
種駒500ヶ

※当社で取り扱っておりますその他のきのこの品種に関しましては、こちらを御覧ください。

1、原木の種類

 クルミ、ヤナギ、ポプラ、アカシヤ、ハンノキ、クワ、リンゴ等が適木であるが、一般広葉樹であれば樹種を選ばずほとんど栽培が可能である。

 

2、伐採と玉切り

 原木の伐採は他のきのこと同様、樹木の栄養分が多く、活動停止期でもある11~3月までに行う。伐採した原木は、枝付きのまま乾燥させ、内部樹液を飛散させるようにする。接種直前になったら、90~100cmの長さに玉切りを行う。

3、接種時期

 接種は、3~4月下旬までに行うようにする。ドリルや穿孔器を使用して、原木に孔をあけ、1mの長さの原木で切り口(木口)直径の4倍を目安に種駒を接種する(孔の数は、直径10・であれは約40ケ)。

 

接種配置図
※種駒の接種数は、同じ列に多く植えるよりも、列数が多くなるようにした方が効果的である。


4、仮伏せ

 接種が終了した原木は、3~4段の薪積みにして一度散水を行った後、ビニールシート、コモ、段ボール等で被覆し、菌糸の活着・伸長を促すように管理する。なお、乾燥気味のときは、期間中に適宜散水を行う。ひらたけは比較的菌糸伸長は早いが、確実に活着させるためには、仮伏せ管理は温かい場所を選んで、必ず行うようにする。


仮伏せ管理画像

 

5、本伏せ

 本伏せは、排水が良好で、直射日光の当らない、散水管理の可能な林内に伏せ込む。伏せ込み方法は、地面に直接並べて置く「地伏せ」管理とし、榾木間隔は、収穫に支障のないように10~15cm開け、周囲に落葉を敷いて乾燥と泥跳ねを防止する。

 

本伏せ図画像

6、きのこの発生と収穫

 きのこの発生は、接種年内の9月下旬頃から若干始まるが、本格発生は2夏経過後の秋からで、収穫適期を逸しないよう注意する。菌床栽培と異なり長木栽培の場合は、あまり大きな株状となって群生しないことから、5~8cmの大きさに生長した時点で株ごと収穫する。特に外気温の高い時期には害虫等の被害を受け易いことから、早めの収穫を心掛け、柄の部分(石づき)を榾木に残さないように注意する。発生期間は、榾木の太さによっても異なるが、3~5年の発生が可能である。

原木発生写真

 

■ご注意! きのこ種菌の拡大培養は種苗法により禁じられております。