株式会社キノックス

しいたけの空調栽培・ブロック栽培法

【しいたけ】
しいたけの画像

オガコを利用したしいたけの菌床栽培は、後継者不足を改善するために作業の軽量化と資源の有効利用などを目的に開発され、近年急速に普及してきている栽培方法であります。原木栽培に比べ短期間に、しかも天候に左右されることなく確実にきのこを発生させることが可能ですが、良質のきのこを発生させるためには、菌床の熟度判断が何よりも重要となります ◆しいたけの詳しい情報◆

品種
発生温度
特長
販売品目
東北S42号
(中高温性)
10~28℃
周年栽培用(菌床)
硬肉・大葉、茶褐色、奇形率が極めて低く、巻き込み強い。
種菌1500cc

※当社で取り扱っておりますしいたけの品種に関しては、こちらを御覧ください。

1、培地調製

・ナラオガコなどの広葉樹の粗めのオガコ(1~5mmの粗めのオガコ)を使用する。オガコが細かい場合には、40~50%の割合でダスト(3~5mm)を混入する。
・栄養源は、フスマ:米ヌカ:ネオビタスHM=5%:3%:2%の割合で、培地総重量の8~10%を目安に添加する。
・含水率は、62~63%に調整する。

よろい伏せの写真

2、充填

・培地充填量は、Wフィルター付きガゼット式耐熱袋(450×200×320mm)に2~3kgとなるように充填する。(フィルターの通気性に注意)
・ボックス型(200×120×150mm)に押圧し、培地中央部に太さ20~30mmの穴を4~6箇所開ける。

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3、殺菌

・常圧殺菌は、培地内温度が98℃以上になってから、4時間継続する。
・高圧殺菌は、培地内温度が120℃に達してから、60分間(有効殺菌時間)保持する。
釜温度を目安とする場合には、120分間(2.5kgブロック菌床)の保持を行う。

4、放冷

・必ずクリーンな環境下で、培地温度が20℃以下となるまで冷却する。培地が大きいことから、常圧殺菌の場合は特に急冷に留意する。
・戻り空気による吸い込み汚染に注意する。

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5、接種

・種菌の接種量は、1ブロック当たり35cc程度を目安とし、1500cc種菌ビン1本当たりで約45ブロックに摂取する。
・接種終了後は、直ちに袋口をシーラー等で完全に密封する。 
・接種作業は無菌操作に徹して、スピーディーに行う。

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6、培養管理

・温度は、18~20℃で培養管理を行う。しいたけ菌糸は低温で活着が遅いことから、16℃以下とならないように注意する。
・湿度は、65~75%で管理する。
・CO2濃度は、3,000ppm以下で管理する。
・照度は、極力暗黒培養で管理する。(点検時以外は照明不要)
・期間は、25~30日間管理し、菌糸蔓延後は、直ちに袋口を開封する。(袋をカットせずに、上部のみの開封操作)
袋口の開封操作により、菌床の褐変化が促進される。

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7、熟成管理

開封操作後は菌床の褐変が促進されるようになるが、菌床側面に菌糸塊が形成されるようになった時点で、底部から1/3程度の袋を残して菌床を半裸出状態とする。(半裸状管理が無理な場合には、開封状態での管理を継続する)
・温度は、20~22℃に昇温して培養管理を継続する。
・湿度は、70~90%で管理し、1日2~3回の散水で湿度保持を図る。(菌床の乾燥は、褐変不良の原因となるので注意する)
・CO2濃度は、3,000ppm以下で管理する。
・照度は、100~500Luxで管理し、褐変化促進のために昼間のみ点灯状態で管理する。
・期間は、50~70日間。(裸出時期や熟成の期間は、品種により異なる)
褐変後は散水を控えめとし、菌床重量が接種時の70~90%となるよう、散水量(回数)を調節しながら管理する。

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8、原基形成管理

発生過多を防止する目的で、原基の形成管理は形成状況を確認しながら別途に行うようにする。
・温度は、18~20℃で管理する。
・湿度は、60~80%で管理し、乾/湿の湿度較差をつけて管理する。
・CO2濃度は、2,000ppm以下で管理する。
・照度は、100~300Lux程度で、昼夜連続の点灯管理とする。
・期間は、10~20日間(品種により異なる)の管理とし、きのこの発生開始状況を観察しながら、順次生育室へと移行する。(発生過多の予防)

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9、生育管理

・温度は、10~28℃の範囲とし、日較差をつけて管理する。(品種により異なる)
・湿度は、70~80%とやや乾燥気味に管理する。(きのこの生育開始後は、散水を停止)
・CO2濃度は、1,500ppm以下で管理する。
・照度は、100~1,000Luxで、昼間のみの点灯管理とする。
・期間は、15~20日間。(管理温度や品種により異なる)

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10、収穫

・菌傘裏面の膜が切れない状態で、石付きごと収穫する。
収穫時には出来るだけ菌床を傷めないよう、しかも石付き部を残さないように注意する。
・発生量は、総合計で菌床重量の約40%(2.5kg菌床で1.0kg)が目安で、休養管理を繰り返しながら5~6回の収穫が可能である。(収量は、発生期間で異なる)

11、休養管理

・発生過多を防止する目的で、最小限の原基形成状態となっていることから、収穫終了毎の原基形成を兼ねた休養管理が重要となる。
・温度は、15~20℃で管理する。(10℃以下、25℃以上にしない)
・湿度は、60~90%で管理し、1日1回、60分程度の散水を実施する。
・CO2濃度は、2,000ppm以下で管理する。
・照度は、50~300Luxで、昼間のみの点灯管理とする。
・期間は、15~20日間の管理とし、4番発生以降は長めの休養管理とする。

■ご注意! きのこ種菌の拡大培養は種苗法により禁じられております。