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Pholiota microspora (Berk.) Sacc.

 なめこは、これまでPholiota namekoの学名で、和名がそのまま学名に採用されたきのことして親しまれてきたが、近年、分類の見直しが行われた結果、ヒマラヤで採集された「なめこ」によく似たきのこが「なめこ」であることが判明したことで、1850年にバークレーにより命名された学名が国際植物命名規約上、最も古いことが判り、P. microspora に学名が変更となってしまったきのこである。モエギタケ科スギタケ属に属するきのこで、秋〜晩秋にブナなどの広葉樹の倒木などに発生し、強いゼラチン状のヌメリを有する木材腐朽菌で、北海道、東北地方などで特に人気のきのこである。傘の大きさは3〜8cm、傘色は茶褐色で、表面は著しい粘液に覆われている。和名は特有のヌメリに因んで命名されたものであり、学名に和名が採用された経緯を持つ、まさに日本を代表するきのこである。
 人工栽培のきのこ類の中では唯一「ヌメリ」が特長で、この「ヌメリ」の成分は、「粘液多糖体(菌類特有のネバネバ物質)」と呼ばれるガラクツロン酸を主成分として脱水縮合した食物繊維の一種で、他では類のないなめこ特有の大きな特徴である。ネバネバしていることから薬用研究の対象になり難いきのこではあるが、以前に行なわれた国立がんセンターの抗ガン試験において、なめこの熱水抽出物が、マツタケ(食用きのこ類の中で最も高い抗腫瘍活性)に次いで高い抗腫瘍活性を有していることが判明しており、また、最近の研究においては、血流改善による動脈硬化の予防効果なども判明している。