株式会社キノックス

はたけしめじの自然栽培・菌床栽培法(ブロック)

【はたけしめじ】
はたけしめじの画像

はたけしめじは種菌の発菌・活着が極めて遅いきのこであることから、初期培養管理が特に重要となりますが、一旦菌糸の蔓延した菌床は、他のきのこ類同様に頑強となることから、地伏せ方式による自然栽培が可能です。栽培に当たっては、空調管理で製造された健全な菌床を用いて、特に埋め込み場所の水はけに留意することが大切です。
◆はたけしめじの詳しい情報◆


品種
発生温度
特長
販売品目
KX-HA092号(中生)
14~19℃
地伏せによる露地栽培用
種菌850cc

※当社で取り扱っておりますその他のきのこの品種に関しては、
 こちらを御覧ください。

自然栽培におけるきのこの仕込み時期は、害菌の混入を防止する目的で、空気中の浮遊菌数の少ない2~4月に行う。特に、降雪量の少ない年は、殺菌終了後の放冷工程において害菌類が混入しないよう慎重に作業を行う必要がある。

 

1、培地調製

・培地基材としては、1年間程度野積みしたスギオガコを使用し、栄養源として、フスマ:ネオビタスN=12:3(重量比)の割合で混合し、培地総重量に対して15%となるように添加する。
・含水率は、65~68%に調整する。

 

2、充填

・培地の充填量は、耐熱性のフィルター付きガゼット袋(450×200×320mm)に2~3kg/ブロックとなるように充填する。
・培地をボックス型(200×120×150mm)に押圧し、培地中央部に太さ20~30mmの穴を4~6箇所開ける。

 

3、殺菌

・常圧殺菌は、培地内温度が98℃以上になってから、4時間継続する。
・高圧殺菌は、培地内温度が120℃に達してから、60分間(有効殺菌時間)保持する。
釜温度を目安とする場合には、120分間(2.5kg菌床)の保持を実施する。

 

4、放冷

・必ずクリーンな環境下で、培地温度が20℃以下となるまで冷却する。(常圧殺菌の場合は、培地の急冷に留意)
・培地が2kg以上と大きいことから、冷却は十分時間をかけて行う。
・戻り空気による吸い込み汚染に注意する。

 

5、接種

・種菌の接種量は、害菌混入を防止し、活着を早める目的で、1ブロック当たり40cc程度を目安とし、850cc種菌ビン1本当たりで、約20ブロックに接種する。
・接種終了後は、袋口をシーラー等で素早く完全に密封する。
・接種作業は無菌操作に徹して、スピーディーに行う。

 

6、培養管理

・温度は、21~23℃で培養し、菌床内温度を25℃以上にはしない。
・湿度は、65~75%で管理し、培地表面の乾燥に注意する。
・CO2濃度は、2,500ppm以下で管理する。
・照度は、極力暗黒培養で管理し、点検時以外は照明を点灯しない。
・期間は、50~60日で、菌糸蔓延完了後、更に10日間程度の熟成管理を実施する。
完熟菌床画像

※ 以上の管理については、ブロック菌床を購入して栽培する場合には不要である。


7、地伏せ管理

・ブロック菌床の地伏せ方法は、菌床を袋から取り出して裸状とし、菌床同士の間隔を5cm程度開けて底部を上にして並べ、畝状に覆土して菌床を埋め込む。(覆土の厚さは3cm程度、40菌床/坪が目安)
・場所の選定は、必ず水はけの良好な緩斜面や広葉樹の林内とする。
・時期は、8月中旬~9月上旬に実施する。(自然発生の約1ヶ月前が目安)
・埋め込み後の管理は、乾燥を避けるため畝上に落葉などをかけて日除け用のトンネルなどを設置し、週に1回程度の間隔で散水を実施する。
袋から菌床を取りだしている画像

菌床の配置図&地伏せ方法画像

 

8、生育管理

・地伏せ後の散水は、覆土表面の乾燥具合を見ながら適宜散水を実施する。(覆土面が常時湿った状態は避ける)
8月末になったら、原基の形成を促進する目的で、夕方に散水を行う。
・原基が形成される頃になったら、雨除けを施し、原基に直接雨が当たらないように管理する。(原基への直接散水も控える)
・芽切りの時期は、菌床を埋め込んでから、2週間程度で原基が形成されるようになる。
露地発生状況画像

 

9、収穫管理

・きのこの発生時期は、外気温が10~18℃に低下する9月中旬頃から発生が始まり、収穫までは、埋め込み開始から約1ヶ月後が目安である。
・収穫の適期は、株中央部のきのこの傘が7分開き程度に生育した状態で、ひと株ごと収穫する。
・収穫の期間は、2~3週間程度である。
・発生量は、1ブロック当たり700~1,000gの収穫が可能である。
収穫したはたけしめじ画像


 

 

 

 

 

■ご注意! きのこ種菌の拡大培養は種苗法により禁じられております。