株式会社キノックス

きのこの雑学・エリンギの雑学

エリンギのヘルシーメモ

エリンギは南ヨーロッパ、ロシア南部、中央アジアなどの草原地帯や乾燥性のステップ気候を好む草原型の腐生性きのこで、雨の多い温帯型気候の日本には自生しないきのこです。本来は腐生型のヒラタケ属のきのこですが、木材腐朽力を併有していることから、近年オガコによる人工栽培が急増し、「ひらたけ」や「なめこ」など昔から人気のきのこの生産量を凌ぎ、2008年度の生産量が38,000tとまいたけに次ぐ第5位の生産量を達成するまでに急成長した、近年人気の新種きのこです。
 エリンギは、シイタケに代表される旨み成分の元である「グアニル酸」の含有量がそれほど多くはないものの、旨み系のアミノ酸である「グルタミン酸」や甘み系の「アラニン」と「グリシン」を多く含むことから、シイタケなどの日本型きのこの食味とは異なり、マッシュルームに代表される西洋型の旨み成分を多く含むきのこで、食感的にも特有の歯触りの良さがあることから、消費が急上昇しております。エリンギには、便秘の改善に効果のある植物繊維や血圧を下げる効果のあるカリウムが豊富に含まれ、また、骨粗しょう症の予防効果を有するトレハロースや皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きのあるナイアシンも豊富に含まれています。最近の研究では、抗高脂血症効果、肝障害予防効果、動脈硬化予防効果等が報告され、生活習慣病に有効であることも示唆されていることから、薬効面でも注目されるようになっています。
 近年、エリンギと同属のきのこで、中国で人気のバイリング(白霊菇)が日本でも栽培されるようになっておりますが、バイリングは中国新疆ウイグル自治区の天山山脈が原産地で、エリンギ同様「阿魏」と呼ばれるセリ科植物の根部に発生するきのこです。最近の研究報告によれば、遺伝子解析や交配試験の結果から、エリンギと同一のきのこであることが判明しており、中国で独自に進化したエリンギの1グループ(変種)だとされております。